メールマガジンを使った効果的な英語学習法
2003年新春特別インタビュー

出演者  株式会社テクノウエッブ代表 徳永哲士さん(以下TN)
 メールマガジン「毎日1分!英字新聞」発行人 Ken Ishida(以下ken)


TN 「kenさんのメルマガは現在、読者数5万5千人。(2003年1月現在)まぐまぐのランキングでは 教育系で4位。総合でも20位の超人気メルマガです。私は初期の頃から購読してい ますが、そもそも発行のきっかけはなんだったんですか?」

ken 「私は日本の大学を卒業して米国へ渡り、MBAを取得して帰ってきました。 でサラリーマンとなったわけですが、配属された部署が得意とする英語力をほとんど 必要としないところだったんですね。で、これはまずいと(笑)そこで英語力をなん と かキープする良い方法はないかと考えて始めたのがメルマガだったわけです。

で英語は毎日の積み重ねが大切ですから毎日発行しよう、と。だったら時間もないの で1分くらいでよめる短いものをやろうと。さらに欲張りかもしれませんが、日本に いては海外のニュースがほとんど分かりません。だから海外の情勢に自分をアップデ ートできるものをやろう、と。そこで『毎日1分!英字新聞』というタイトルがまず 浮かびました。そして今に至っているわけです。ですから、発行のきっかけは、単に 自分の英語力の維持という極めて個人的な理由だったんですね(笑)」

TN 「毎日あれだけのコンテンツを盛り込むというのは大変な作業ですね。作成に はどれだけの時間をかけているんですか?」

ken 「だいたい平均すると1時間です。記事探しにたっぷり時間をかけますが、時 に良い記事が見つからない場合、翻訳に慎重さが求められるような場合は2時間近く かかることもあります。知り合いのネイティブにチェックしてもらうこともあるんで す。もちろんたまには誤訳もありますので。ただ誤訳をしちゃうと、それについての 読者からのメールが凄いんです。100通を越えちゃうときもあるんです。だから、 慎重さだけは欠かさないよう努力しています。」

TN 「なるほど、一見、スマートな文体で淡々と出しているのかな、という感じで すが、その水面下には見えない努力があったんですね!

ところでネイティブといえば、ご自身も翻訳の会社を経営されていますよね。あと家 庭教師の個人契約の仲介の会社と、他には経営コンサルタントもやってらっしゃる。 そしてメルマガ発行と二束のわらじどころではありませんね。」

ken 「私は米帰国してから約10年サラリーマンをしていましたが、なんといいま すか、毎日がストレスの連続でした。仕事は面白かったですが、第一毎朝決まった時 間に起床しなくてはいけないということがストレスでした(笑)。あと会社のくだら ない人間関係に気を配ることも。

ですからこの状況をなんとか打破しようと、会社員でありながら、インターネットで 個人的にいろいろなことをし始めたんです。翻訳も家庭教師の仲介も。その一つがメ ルマガでもあったわけですね。そのどれもが、まあラッキーな側面もあったのです が、うまく進んで、会社からの給料に追いつくまでに1年とかかりませんでした。

だったら独立しちゃえ!という感じで、あっさり会社に辞表を提出しました。女房は 青ざめてましたが。(笑)

徳永さんも同じくMBAを取得していてテクノウエッブを起業し、 ご自身で英会話学習教材を開発していらっしゃいます が、MBAというのはなんというか独立して自分でビジネスを興さなくてはだめだ、 という雰囲気がありますよね?」

TN 「もっともです。アメリカのビジネススクールというのはベンチャー魂の源泉 のようなものがあります。kenさんのメルマガを読んでいると、そういったベンチャ ー的な発想といいますか、思いがひしひしと伝わってきます。とくにあの『編集後 記』 は面白いですよ!」

ken 「ありがとうございます。実はあの『編集後記』に一番時間をかけてるんで す。 どうでもよい話、たとえば子供が風邪をひきましたなんてときもありますが、実は、 メルマガ内で一番読まれているところでもあるんですね。(笑)」

TN 「『毎日1分!英字新聞』はTOEIC、TOEFL対策には、時事問題を扱 うメルマガとして最高の教材だと思います。でもそういった受験対策を越えた異質な 何かがふんだんに盛り込まれています。そこが人気の秘密なんでしょう。 ところで、kenさんはTOEFLで600点オーバーだと聞いたことがありますが、 どんな学習をしたんですか?kenさんが実践した英語の学習法について教えてくださ い。」

ken 「まず、文法をがっちりと固めること。文法というのは、文の構造を掴むこと です。これがまず基本です。次に、単語を覚えること。いくらリスニングができても 単語の意味が分からなくてはお手上げです。逆に単語を知らないとリスニングもでき ないし、ライティングもできない。当たり前ですね。

ですからご飯を食べるように単語集を次から次へと食べていってください。それは、 必須栄養成分です。

このあたりのベーシックな学習ができていないと、どんな学習も無駄に終わります。

あとできるだけ短い文章を暗記してください。そのためには、外国の歌を覚えるのも よいでしょうし、DVDで洋画のセリフを覚えるのも良いでしょう。私は自慢では ないですが映画「マトリックス」におけるキアヌ・リーブスのセリフを10ヶ所くら いはスラスラ話せます(笑)大好きな映画は何回も見ますので自然と覚えてしまうん ですね。そのくらいまで行かないと!

そして短文を覚えるのに最適なテキスト、それが『毎日1分!英字新聞』でもあるの です。先日、『編集後記』にも書いたのですが、ある人が紹介してくれた勉強法で、 毎日送られてくるメルマガを印刷して、英語記事の部分だけ切り抜いてポケットに いれて持ち歩いているのだそうです。そして、朝、通勤電車の中で暗記します。そ して、思いついたときに口に出して発音してみる。

自分の暗記力を試すんですね。これを毎日3ヶ月間継続した結果、TOEICのスコ アがそれまで600点そこそこだったのが850点まで伸びたというのです。自分で も信じられなかったそうですが、洋画をみたり、英語のニュースを聞いたりしている うちにそれまでとは違う自分を体感することができたそうです。

実際『毎日1分!英字新聞』は最新のニュースを掲載しますから、BS2などで海外 ニュースを見ている方は、その前にヘッドラインやキーワードをメルマガですでに学 習しているわけです。そのような下地があると、リスニングが全然違ってくるんです ね。さらに、この方は発音練習もしているわけです。まさにニュースキャスターが読 むように『毎日1分!英字新聞』の英語記事を口に出して読むそうです。

リスニングができるためには、発音ができなくてはなりません。うまく発音すること ができない人はリスニングもできません。これが日本の英語教育の最大の欠点です。 中学、高校の英語の先生で、正確な発音ができる方は残念ながらそう多くはありませ ん。ですから、彼ら(先生方)はリスニングにしてもどの程度できているか疑問なん です。そのような環境で英語を勉強してきた私たちが、正確に発音したり、リスニン グできたりする能力が劣っているのは不思議ではないんですね。」

TN 「同感です。英語の学習は、ライティング、リスニング、スピーキングなど、 一見バラバラのように見えますが、これらは相互に密接に関係しているんですね。い や、関係というよりも、ライティング=リスニングであり、リスニング=スピーキン グなんだと。

では最後にこのメルマガを読んでいる読者の皆さんへkenさんからメッセージをお願 いします。」

ken 「英語の学習は毎日の積み重ねが大事です。コツコツと。少しづつでも毎日や る。気が付くとその積み重ねのひとつひとつが有機的に絡まってきます。それまで暗 かった目の前がパーっと明るくなります。聞こえなかった言葉が次々と洪水のように 耳に飛び込んできます。そして初めて英語をモノにすることができます。

英語の学習はトンネルを掘ることに似ています。こちらは日本語の世界。山の向こう は英語の世界。

多くの方がトンネルを掘っていて、出口まで間もないところで、Uターンして帰って しまいます。あと、少し掘り進めば、反対側の世界(ハッピーなイングリッシュワー ルド)へ出ることができたのに!

1日で反対側の世界へ出る必要はないのです。ゆっくりと着実に。疲れてへとへとに なってはいけません。でも毎日掘り進めて行けば、必ず反対側の世界へ突き抜けるこ とができます。

『毎日1分!英字新聞』は、トンネルを掘るための最高のドリルではありませんが、 コツコツと少しづつ掘り進む方にとっては、非常に便利なツールなのです。」

TN 「英語の学習が山にトンネルを掘るのに似ているとは、うまい比喩ですね。 確かに学習の最中にいる方は、周囲は真っ暗。貫通までどのくらいあるのかも分から ない。自分がどこにいるかも分からない。ひたすら掘り進めるしかない。でも掘るこ とをやめなければ、必ず山の反対側に突き抜けちゃう。英語をパーフェクトにモノに できるわけですね!

今日はありがとうございました。これからも配信を楽しみにしております!」

ken 「こちらこそどうもありがとうございました。」



This page's powered by...






毎日1分!英字新聞が本になりました。

毎日1分!
英字新聞
本になりました!
■詳細■
(2004.05)





■「まぐまぐ」で登録する
▼登録する
電子メールアドレス(半角):

▼登録を解除する
電子メールアドレス(半角):

Powered by Mag2 Logo








copyright: Ken Ishida